「喜びなさい、恵みを受けた人よ」
更新日:2023.12.20
喜びなさい、恵みを受けた人よ
小林克哉牧師
「六ヶ月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。」(26-27節)神はマリアを選ばれました。王宮や神殿にいる人でもなく、学者たちでもありませんでした。もしそのような人が選ばれたなら、自分には選ばれるだけの何かがあったと自らを誇ることになったのではないでしょうか。神は年端もいかぬナザレの村娘マリアを選ばれたのです。マリアには誇るところがない。ただ神の恵み、神の一方的な選びがこの出来事にはっきり示されているのです。
マリアの方から神さまに来てほしいと願ったのではありません。神がマリアを選ばれたのです。そこに喜びがあったのです。「天使は、彼女のところに来て言った。『おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられる。』」(28節)この「おめでとう」という言葉は「喜びなさい」と訳すことができる言葉です。「喜びなさい、恵まれた方。主があなたとともにおられる。」と天使は告げたのです。
わたしたちはどんなことで喜んでいるでしょうか。何か成功するとか、自分には人から評価されたりうらやましがられる何かがあるとか、持っているとか。ここで「喜びなさい」と告げられています。自分に誇るところがあり喜ぶのではないのです。神に選ばれた喜びです。神が訪ねてくださった喜びです。神が捜し出し見つけてくださった喜びです。神のもとに連れ戻され、神の御もとにある喜びです。「主はあなたとともにおられる」のです。
マリアのもとに来てくださり語りかけてくださったお方が今朝わたしたちのところに来てくださり語りかけてくださっています。「喜びなさい。恵みを受けた人たち。主はあなたたちと共におられます。」「神にはできないことは何一つない。」(37節)マリアと共にわたしたちを用いてくださいと祈りたいと思います。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように。」(38節)さあ、クリスマスの伝道へと祈りを合わせて進んでまいりましょう。アーメン
(2023年12月10日礼拝説教より)