「新しい旅のはじまり(降誕⑥)」
更新日:2023.1.10
マタイによる福音書第2章1-11節
小林 克哉牧師
新しい旅が始まりまりした。主イエス・キリストのご降誕(クリスマス)の光と恵みの中で主の年2023年を迎えました。イエスさまはお生まれになられたのです。救い主、真の王であられる神はすでに来てくださったのです。世界は未だ神を忘れ、神に背いていたとしても、人間の罪、悪しき力、死の恐怖に満ちているように見えたとしても、イエス・キリストはすでに来てくださっているのです。
学者たちはそのお方と出会い、御前にひれ伏しました。「彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。」(11節)学者たちがささげた宝は、占星術師の必需品であったという理解があります。それなしには占星術の学者として生きることができなくなるものです。それを献げたというのは、これまでの生き方と訣別し、イエス・キリストと出会った新しい生へと歩み出したことを意味しているとの理解です。
自らを王とするヘロデの生き方でもなく、真の王でないヘロデにひれ伏す生き方でもなく、真の神を王とする生き方へ変えられたのでした。主は、すぐに自らを王とし、マコトの王でないものを王とする歩みに引き戻されそうになるわたしたちを守ろうとしてくださるのです。「ところが、『ヘロデのところに帰るな』と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。」(12節)
新しい旅が始まりました。「初めからのことを思い出すな。昔のことを思いめぐらすな。見よ、新しいことをわたしは行う。今や、それは芽生えている。あなたたちはそれを悟らないのか。」(イザヤ書第43章18-19節/当日招詞)
主は昔先祖をエジプトの地から導き出してくださったと言って懐かしむ民に、預言者は言いました。主は昔いた神ではなく、今も生きておられる神であり、民をエジプトから救い出したように、否それ以上のことをしてくださるお方である。わたしたちの教会は今変化の時を迎えています。昔はよかったと懐かしんで、神を過去の神にしてはなりません。「ヘロデのところに帰るな」。主は新しいことをなさることがおできになる神です。主の年2023年という新しい旅が今始まります。アーメン
(2023年1月1日礼拝説教より)