札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「クリスマスの讃美を共に」

更新日:2022.1.6

ルカによる福音書2章8-20節(新P103)

小林克哉 牧師

世界で最初のクリスマスの賛美はイエス・キリストのご降誕の直後に歌われました。「すると、突然、この天使に天の大群が加わり、神を賛美して言った。『いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。』」(13-14節)この天使たちの賛美を聞き、羊飼いたちも賛美したのです。
羊飼いたちが救い主を探し当てることができたのはなぜでしょうか。わたしたちはどこに行けば神とお会いすることができると考えているのでしょう。どのようなお方を神であると、救い主であると思っているのでしょう。目の前に神がおられても気づくことはできるでしょうか。自分の理想、願望に神を、救い主を見出そうとするなら、羊飼いは決して出会うことはできなかったでしょう。天の使いの御告げ、神の言葉、啓示によらなければ誰も気づくことはできないのです。
まさかこんなところに! 天使は告げました。「あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。」(12節)まことの礼拝、まことの賛美への招きの言葉です。しるしは布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子。まさか赤ちゃんが! 力強い将軍でも、眼光鋭い賢者でも、全てを包み込む慈愛の母でもない。赤ちゃん。神はこんなにも小さく弱く貧しくなってくださっていたのです。
「布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている」というしるしは十字架の死を暗示するものです。十字架で死なれ布にくるまれて墓に寝かされることになるイエスさまのお姿を暗示しているのです。十字架は神が最も小さく弱く貧しくなってくださったお姿です。そこでしかまことの神とお会いすることはできないのです。
このお方と出会い羊飼いたちは帰って行きます。野宿をしながら夜通し羊の群れを番するために。羊飼いたちの辛く苦しい生活は何一つ変わらなかったのです。生活が改善されたから神をあがめ、神を賛美したのではありません。まことの神、救い主とお会いしたからです。その栄光を見たからです。まことの神と出会い救い主と出会った羊飼いたちは確かに変わったのです。神をあがめ、神を賛美する者に変わったのです。わたしたちもそうです。神をあがめ、神を賛美する者として生きる者に変えられるのです。さあ、天使たちとクリスマスの歌を共に歌いましょう。アーメン

(2021年12月26日礼拝説教より)

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