「あなた方に平和があるように」
更新日:2021.4.23
ヨハネによる福音書第20章19-23節(新210頁)
呉平安教会 小林克哉牧師
イースターの夕刻、ご復活の主が弟子たちの真ん中に立たれました。主は弟子たちに告げられました。「あなたがたに平和があるように。」(19・21節)
・復活の主は恐れ不安な弟子たちのところへ
弟子たちはマグダラのマリアからイエスさまがご復活されたと聞きました。ところがイエスさまがいつ来てもいいように家の戸を開いて待っていたのでなく、ユダヤ人を恐れて戸に鍵をかけ閉じこもっていたのです。ご復活の主は戸に鍵がかかっているにもかかわらず、弟子たちがいた家の真ん中に来て立たれたのです。弟子たちは信仰の確信に満ち、復活のメッセージを聞き信じ備えていたのではありません。弟子たちは不安や恐れをいだき、不信仰であり、弱く欠けがあり、罪人だったのです。そんな弟子たちの家の中に、復活の主の方から来てくださったのでした。
・復活の死が与える平和・平安
イースターのすぐ後、ある方の家に訪問聖餐に出かけました。がんを患い死を意識して生活されている方です。その小さなイースター礼拝でこの聖書箇所を読みました。今この部屋の真ん中にイエスさまは立たれ、「あなたがたに平和があるように」と言っておられますと説教しました。そして聖餐にあずかり、主のものとされていることを確かにしていただきました。もう罪の支配も、病の影も、死の恐れもそこにはありませんでした。主のものとされているのですから。わたしたちに罪の赦しを与えるために十字架で死なれご復活された主のご臨在が示され、主が与えてくださる平和・平安がその家に満ちていました。
・復活の主に遣わされて行く
その方は言われました。まだ信仰を与えられていない家族にイエスさまのことを伝えたい、祈らなくては。「わたしもあなたがたを遣わす。」(21節)弟子たちは復活の主による平安・平和を与えられ遣わされたのです。罪赦された者だから、あなたも罪赦され神に立ち帰ることができると言えるのです。たとえわたしたちが不信仰でも、弱さや欠けがあっても、罪人でしかなかったとしても、復活の主がわたしたちを遣わしてくださる。
(2021年4月18日礼拝説教より)