「思い違いをするな」
更新日:2021.3.19
コリントの信徒への手紙一15章12-34節 (320頁)
米倉美佐男牧師
「キリストは死者の中から復活した。」(12節)
レントの第4主日礼拝です。イースターを迎えるために良き備えをもって過ごしましょう。お読みした聖書の箇所には大きな問題提起があります。コリント教会の中にある一部の者たちが「死人の復活などはない」と言っていることに関してです。パウロはそれらの意見に対し真正面からそれは違うと反論しています。
もし、キリストの復活を否定するなら、わたしたちの信仰は無駄になってしまう。ないものをあると言って、絵空事を語る偽証人となり、それは神と人とに対するはなはだしい侮辱、神への罪の行為そのものだと言います。キリストの復活は動かしがたい事実なのです。「御子は、肉によればダビデの子孫から生まれ、聖なる霊によれば、死者の中からの復活によって力ある神の子とさだめられたのです。この方が、わたしたちの主イエス・キリストです。」(ローマの信徒への手紙1章3-4節)。
わたしたちは死んだお方を懐かしがって礼拝しているのではありません。今もここに生きて働いておられる主イエスを信じて礼拝を献げているのです。そこに真の救いがあることを信じているからです。「あなたがたは知らないのですか。キリスト・イエスに結ばれるために洗礼を受けたことを。わたしたちは洗礼によってキリストと共に葬られ、その死にあずかるものとなりました。それは、キリストが御父の栄光によって死者の中から復活させられたように、わたしたちも新しい命に生きるためなのです。もし、わたしたちがキリストと一体になってその死の姿にあやかるならば、その復活の姿にもあやかれるでしょう。」(ローマの信徒への手紙6章3-5節)。
人間の一生は死で終わるのではありません。この世的には死が生、命を飲み込んでしまう、死は終わりと言う。けれどもわたしたちの信仰はキリストによって、死が生、キリストの命、復活によって飲み込まれてしまうのです。
わたしたちクリスチャンの死はキリストの永遠の命に招かれて、新たな永遠の命への旅路の始まりであり、やがて主と共に救いの完成時には復活の希望が与えられているのです。
(2021年3月14日礼拝説教より)