「霊で祈り、理性で祈る」
更新日:2021.2.26
コリントの信徒への手紙一14章1-25節(新317頁)
米倉 美佐男 牧師
「まことに神はあなたがたの内におられます。」(25節)
「愛を追い求めなさい」と書きだされています。13章に続いてここでもキリストの愛を求めて生きなさいと勧めているのです。そして異言問題について再び語ります。現代ではあまり問題にならない異言がコリントの教会では大問題になっていたのです。パウロははっきりと異言ではなく預言を語れと言います。教会を作り上げるために、それがパウロの神髄です。
つまりキリストの教会を建てるのが信仰者としての最大の務めであり、教会を建てるために預言=神の言葉を語ることが大事なのだと諭します。教会を建てるみ言葉を語れ、説教をせよということです。パウロ自身も異言を語っていました。その彼が重要なのは異言を語ることではなく、啓示か知識か預言か教えによって語ることだと言うのです。説教が正しく語られなければあなた方の役にたたない、正しく神のみ旨を悟ることができない。結果として教会を作り上げることはできないと言うのです。
ここで語られることは言葉の問題です。その言葉は人間の言葉ではなく、神の言葉です。神の言葉をどうして人間が語ることができるのかと言うことです。神の愛、イエス・キリストの愛に裏打ちされた言葉をもって語っているかどうかです。そのために霊において理性において、祈り、讃美しつつしなさいと言うのです。どちらかに偏らないでバランスよくする。教会に来て間もない人たちが共に「アーメン」と言えるようにしなさいと言います。そうでないとあなたが何を言っているのか分からないではないか。あなたがたは異言でなく預言を語れ、理解に困難な異言でなく、神の御心を理解するための預言に集中しなさい。語る方も聞く方も人の思いに重点を置かず、絶えず神のみ旨を追い求めなさい。神の民が立つのはそこなのです。
私たち信仰者の語る言葉は教会を建てるための言葉であれ、パウロの一番の願いでした。それがなければ主イエスに申し訳ない、それがパウロの気持ちです。それ以外の何ものでもないのです。
(2021年2月21日礼拝説教より)