「すべてが神の栄光のために」
更新日:2021.1.12
コリントの信徒への手紙一10章23-11章1節
米倉 美佐男牧師
「あなたがたは食べるにしろ飲むにしろ、何をするにしても、すべて神の栄光を現すためにしなさい。」(31節)
2021年の新年礼拝を献げることができることを心から感謝します。みなさんは、新年をどのようにお迎えになられたでしょうか。
クリスマスシーズンに中断していたコリントの手紙一に戻り、説教をします。この手紙は8章で偶像への供え物を食することへの戒めを語りました。偶像への供え物となった肉を食すことをめぐって、それを是とするか否とするかで信者間で争うような状況が生じました。
パウロはコリントの教会員を指導してきましたがここでは偶像へ供えた肉を食す問題についての結論を述べます。偶像に供えられた肉が市場に売りだされることはある。それを買って食べることは全く問題ない。キリスト者でない家に招かれて出された食事に肉が出てもそれも全く問題ない、遠慮なく食すべきだと言います。但し、明らかに偶像に供えられたものとして提供されたら食すべきでないと言います。
最初にあるようにすべてのことは許されているのです。ただ、注意すべきはだからと言ってすべてが益にはならず造り上げるわけではない。信仰的に徳にならないことを指摘します。問題なのは24節に示されるように自分の利益ではなく他人の利益を追い求めなさい、つまりパウロは広い意味で、教会員以外の人たちに対する伝道を考えて内輪でつまらない揉め事は百害あって一利もないと言うのです。
信仰に関しては下手な妥協はできませんが、そうでないものは信者が自分の価値観を他者に押し付けるのでなく他者のことを考えてすべき、何よりもキリストを伝えることが私たちに託された最も大事な務めなのです。何をするにしてもすべて神の栄光を現すためにするのです。そのためにみんなでキリストに倣う者となりましょう。キリストに倣うわたしに倣う者となりなさい。それがパウロのメッセージです。わたしたちもまたキリストに倣う者となるのです。
(2021年1月3日礼拝説教より)