「平和な生活を送るように召された」
更新日:2020.9.18
コリントの信徒への手紙一7章1―16節(新約P306)
米倉 美佐男 牧師
「平和な生活を送るようにと、神はあなたがたを召されたのです。」(15節)。
ここに語られるのは結婚についてです。どうしてパウロがここで結婚を取り上げたのでしょうか。背景にはコリントの教会の中に乱れた性の問題があったからでしょう。その他にも幾つもの問題が文書で問われていたようです。それに対して懇切丁寧にパウロは答えています。信仰生活、教会生活のありかたを教会の人たちと一緒に考えようとしています。この個所で結婚について取り上げていますが一般的な聖書の結婚観を述べてはいません。
少しは聖書的結婚観に触れていますが、主として禁欲生活の観点から結婚を手段として語っています。彼の率直な意見は自分のようになってほしい。つまり独身でいられれば独身の方が望ましいが、不品行な乱れた生活から逃れるために、結婚を勧めています。そして結婚しても夫婦間の問題で不品行に陥らないようにと強く勧めています。
コリント教会の現実を見たうえでどのような人々にとって結婚が必要なのかを語ったのです。後半では離婚ついての言及があります。クリスチャン同士の場合、片方だけがクリスチャンの場合、いずれにしても今現在でも通用する指導ですが、自分の思いを優先するのでなく、他者の立場に立っての思いを大切にしなさいということです。その背景には主イエスの生き様があるのです。パウロは自分の思いで彼独自の理論、解釈を語ったのではなく、主のみ旨を求めて生きる大切さを教えたのです。
キリスト者には主の与えて下さる恵みの大きさと、持たねばならぬ責任の大きさがあることを示しています。そこに平和な生活を送るべく、神が私たちを召してくださった意味があるからです。
(2020年9月13日礼拝説教より)