「一緒に神に熱心に祈ろう」
更新日:2020.5.25
ローマの信徒への手紙15章14-33節 (新約295頁)
米倉 美佐男牧師
「どうか、わたしのために、わたしと一緒に神に熱心に祈ってください」(30節)
手紙の本文は終わり、最後にパウロはローマの信徒へプライベートな挨拶を記します。この挨拶は私信と言うだけでなく彼の伝道者としての稀有壮大な姿勢を感じさせます。
すべてのことに時があることを思いつつ、私たちもこの教会にそして自分自身に今この時に何が必要かを知りたいと思います。この書のテーマは「信仰による神の義」です。そして、その具体的在り方が「キリストに倣って」です。
14節以下でパウロはローマの信徒ともっと親しく、主にある交わりを深めることを願っています。何度もローマに行きたいと願っていましたがまだ実現していないのです。
ローマは彼にとって未踏の地でした。多くの教会の設立に関わって来たパウロですが、このローマの教会はすでに存在していました。パウロはローマが当時の世界の中心であること、そこにある教会との関係を築くことが彼の伝道計画に欠かせないことを強く認識していたのです。
まだ会ったことの無いローマの信者を「兄弟たち」と親しく呼ぶのは共に神のみ旨に聞き従う親しい交わりであるからです。パウロに与えられた主イエス・キリストからの務めでありました。私はあなたがた異邦人のために神の祭司としてキリストに仕える者とされたのであり、そのために伝道者として生かされていると言うのです。彼が切実に願うのは自分のためにローマの教会が祈ってくれることでした。いったんエルサレム教会に行き、用事を済ませたら必ずイスパニア伝道に行く途中であなたがたを訪ねます。だからそれまで祈って私を待っていて欲しい。心を一つにして共に伝道に励んで欲しい。「平和の源である神があなたがた一同と共におられるように、アーメン」。
(2020年5月17日礼拝説教より)