「信仰による義を得る」
更新日:2020.2.25
ローマの信徒への手紙9章30節-10章4節 (新約287頁)
米倉 美佐男牧師
「キリストは律法の目標であります。信じる者すべてに義をもたらすために。」(10章4節)
パウロが伝えた福音を皆が皆、喜んで受け入れたわけではありません。パウロの教えに異議を言うユダヤ人に、パウロは真摯に答えます。救いはユダヤ人にあり、異邦人にはないと主張する者に対し、異邦人はイスラエルのように義を追い求めたのではないのに義を得た。それは人間の功績でなく、ただ信仰によってのみ与えられたのだと。信仰による義とは、神との関係の回復、深く強い結びつきそれが信仰による義を得ることなのです。
兄弟たちよ、教会の同信の共に、同時に肉の兄弟であるユダヤ人同胞に向かって言うのです。彼の心からの願いはあなたがたの救われることだと。主イエスをキリストと信じて受け入れる事を祈っているのです。切なる思い、執り成しの祈りがここにあります。パウロを裏切り者として命の危険を及ぼす者たちを覚え、彼らの救いのために思いを寄せるのです。
ユダヤ人の宗教的熱心さは誰しもが認めることでした。けれどもその熱心さは神への熱心さではなく、律法への熱心さでした。信仰ではなく行いにおいての熱心でした。自分の義を求め、神の義に従わなかったこと、それが最大の誤りでありました。信じることは本来相手に身を委ねることです。神に、主イエスに委ねるのです。そして、信仰による愛の実践が伴います。目の前にそれを描き出すとしたら、キリストの十字架です。そこに行き着けば恐いものなしです。そこに到達したからパウロは自分の命を狙う同胞を思い、その救いのために執り成しの祈りを献げることができたのです。キリストはユダヤ人も異邦人も皆イエスをキリストと信じる者すべてを義としてくださるのです。だから信じ求める者は信仰による義を得るのです。
(2020年2月16日礼拝説教より)