「信仰によって世界を受け継ぐ」
更新日:2019.8.19
ローマの信徒への手紙4章13-25節 (新約278頁)
米倉 美佐男牧師
「従って、信仰によってこそ世界を受け継ぐ者となるのです。」(16節)
今日の箇所は信仰の遺産について語ります。アブラハムの信仰を語りながら、神の民として私たちが受け継ぐべきものは何かを示します。ユダヤ人は、割礼と律法に基づいて世界の相続人であるとの自負がありました。それに対しパウロはユダヤ人が世界の相続を独占するという根拠はどこにもないと指摘したのです。創世記の17章4節にアブラハムに与えられた神の約束が記されています。アブラハム契約とも言われます「あなたは多くの国民の父となる。」
それはアブラハムが律法に忠実だったからではなく、神の御命令に忠実だったから与えられた約束でした。それを律法によると言い張るなら信仰そのものをないがしろにすることであり、約束が無意味になってしまう、白紙にされてしまうことになる。律法が怒りを招くのは罪が神の怒りを招くからです。律法の目的は違反を明らかにすることです。律法がなければ罪の認識も生まれなかったからです。
世を受け継ぐのは信仰によってです。アブラハムのすべての子孫、それは律法に頼る者(=ユダヤ人)だけでなく、アブラハムの信仰に従う者たちはみな確実に異邦人もユダヤ人も皆そうなのです。みな救いの約束に与かれるのです。アブラハムはわたしたちキリストを信じるすべての者の父です。彼を通して信仰について語ります。生も死もつかさどる創造の神の恵みについて。示されるのはみ言葉に服従すること、主なる神への信頼と救いの希望への確信です。アブラハムを信仰の父とされたのは神です。アブラハムはただ信じた、それによって彼の信仰が義とされたのです。同じく「わたしたちの主イエスを死者の中から復活させた方を信じれば、わたしたちも義と認められます。イエスは、わたしたちの罪のために死に渡され、わたしたちが義とされるために復活させられたのです。」(24,25節)。
(2019年8月11日礼拝説教より)