「命のパスワード」
更新日:2019.7.1
コロサイの信徒への手紙1章24-29節 (新約369頁)
森下 滋 伝道師
「真理はあなたたちを自由にする。」このヨハネ福音書の聖句がソウルの延世大学の入り口正面に石碑になっている。ラテン語で刻まれる事が多いがここでは韓国語で刻まれている。毎日ここを通り過ぎる学生がこの事を見て知る事が設立者の宣教師の願いであろう。あなたには墓場まで持って行きたい秘密はあるか?それは何か?解脱を売りにしたカルト宗教の教祖は実は死を恐れていた。そして死刑に処された。一番隠したい事。しかしそこから逃れる事は出来なかった。
パウロは言う。「苦しむ事を喜ぶ」のだ。これはあなた方の為であり、キリストの苦しみが私たちに欠けているのを補給するためなのだと。私たちの補給所はキリストの体である教会である。そしてパウロは補給所に仕える者となった。こうして秘められた計画が明らかになった。
27節を直訳すると「神は自らを知られる事を求めた」となる。それは栄光の希望であるキリストが私たちの内にいる。この事が
明らかにされた神の計画である。パウロはこの事を宣教し諭す。終末に向けての備えが私たちには必要である。私たちはキリスト
の血により罪を赦されたが完全な者では無い。救われているがこの世の真ん中において完全では無い。だから常にキリストに結ば
れていなくてはならない。キリストは私たちの内に今生きている。
パウロの苦しみはキリストの苦しみ。パウロの喜びはキリストの喜び。私たちの喜びはキリストの喜び、そして神の神秘の計画。
私たちは隠したいものがある。何かに対して恐怖を持つ。生きていてバランスを取れなくなる時自ら死を選ぶ。一橋大学でLGBTをカミングアウトした学生はその事を不特定多数にバラされて、絶望の中で死を選んだ。私たちの秘密は明らかにしても墓場まで持って行っても実際にどう作用するのかは当事者には分からない。
しかし神は私たちに自らを知られる事を望んだ。手の内を見せた。私たちの秘密と恐怖は、神の国においては無効である。神の国に入るための命のパスワード、あなたは知っているか。
(2019年6月23日礼拝説教より)