札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「福音を告げ知らせたい」

更新日:2019.6.3

ローマの信徒への手紙1章8-15節 (新約273頁)

米倉 美佐男牧師

「まず初めに、イエス・キリストを通して、あなたがた一同についてわたしの神に感謝します。」(8節)。

挨拶に続いて「まず初めに」とパウロは語り出します。
この箇所の内容は手紙の執筆の目的です。10節以下に具体的に語られています。結論はローマにいる同心の友のあなたがたに福音を告げ知らせたい。ただその一心でこれを書いたと言います。まだ会ったことのないあなたがたを思い祈っている、私の願いはいつかあなたがたのところへ行く機会を持つこと。あなたがたに早く会いたい、霊の賜物を分け与えて力になりたい。信仰によって互いに励まし合いたい。ほとばしり出るパウロの熱情が伝わってきます。

パウロは何度もローマに行く計画を立てたのですが実現できなかった。何か妨害する力が働いているかのようだ。
しかし、私には主から託されたすべての人に果たすべき責任がある。それは福音の伝達だ。必要ならば主が必ずその機会をお与えくださる。それがパウロの思いでした。彼が一番大切にしているのは神への感謝です。

パウロがローマ行きを切望しているのはローマにいる信仰の友とキリストの恵みを分かち合うことです。当時のローマは大帝国の首都です。しかし、そこにある主の群れは決して大きくない、小さな群れにすぎません。しかもまだ結成されてまもない教会には内に外に問題を抱えていたようで、パウロは人づてにその苦労を聞いており、幾分でも、霊の賜物を分かち合って励ましたいとの思いがあったのです。信仰による生きた交わりをするのが願いでした。どんなことにもめげる必要はない。必要な道は必ず備えていただける。福音はギリシア人も異邦人もなく誰にでも開かれているのです。私たちはどこにでも行って伝道するのです。だからローマにいるあなたたち兄弟に福音を告げ知らせ信仰の喜びを共にしたいと言うのです。

(2019年5月26日礼拝説教より)

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