「テモテを送る」
更新日:2019.2.12
フィリピの信徒への手紙2章19-24節(新約363頁)
米倉 美佐男牧師
「他の人は皆、イエス・キリストのことではなく、自分のことを追い求めています。」(21節)
著者パウロがフィリピの教会の人々をどんなに愛していたかが伝わってきます。獄中で彼はこの教会にただならぬ会員同士の不仲があることを知り憂えているのです。この教会の創設当初から共に関わって来た愛弟子のテモテを今自分の代わりに送ると伝えています。この教会がもともと持っていた麗しい信仰を取り戻して欲しいとの願いがパウロの内に強くありました。
テモテ(神をあがめる者の意)はパウロの弟子の一人です。パウロがどんなに彼を愛していたかはテモテへの手紙の一、ニを読むと良く分かります。彼との出会いは使徒言行録の16章にも出ています。エルサレム会議のあと第ニ伝道旅行の時、アンティオケアからキリキア、デルべ、リストラに行った時にテモテに出会います。父親はギリシャ人、母親のエウニケと祖母のロイスがキリスト教信者でありました。テモテは母方の信仰を受け継いで育ちました。
彼はパウロに同行し、各地を伝道して回り、あるいは今回のように一人で派遣され、伝道活動に従事したのです。今朝の聖書個所で心に響くのは冒頭の言葉です。パウロは言います。テモテは違う、一味も二味も違う。彼は自分のことなど考えていない。ただ、キリストのことだけしか考えていない。キリストだけを求めている。だから一日も早くテモテをあなたがたの所に送りたい。自分もまた彼と同じだと言いたいのです。そしてあなたがたもそうあって欲しい。そうでなければ、キリストのことだけを求める人でなければ本当の回復は無いとパウロは伝えたいのです。
(2019年2月3日礼拝説教より)