「神を喜びたたえます」
更新日:2019.1.2
サムエル記上 2章1-10節 (旧約429頁)
ルカによる福音書 1章46-55節 (新約101頁)
米倉 美佐男牧師
ルカによる福音書1章46-55節は、マリアの讃歌(マニフィカト)と呼ばれています。26節以下で天使ガブリエルが現れ、「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」(28節)と告げます。とっさのことにマリアは理由が分からず大きな不安を覚えます。天使は「恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その名をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。」(30-32節)。
聞けば聞くほどマリアは戸惑います。身ごもることなどあり得ない、あってはならないことでした。天使はマリアに、聖霊があなたに降る、すべては神のみ業だ。神にできないことは何一つないと告げます。その時マリアは「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように。」と言います。何故彼女はそう言えたのでしょうか。自分の思いでは拒否しかない、けれども神のみ旨ならば受け入れるしかないとマリアが信じたからです。
「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。」(47節)。神がお与えくださった不思議な出来事を大いなる恵みとして彼女は受け止め感謝したのです。本当はできれば避けたいことでした。聞けば聞くほど不安と焦りが生じます。ただ、マリアは不安な告知から逃げませんでした。天使の告知の意味をしっかりと受け止めたのです。その時に大きな変化がマリアに起こり、彼女は神をあがめる者へと変えられました。すべて神の御業と受けとめた時、彼女に不安や恐れからの解放が与えられます。神を喜びたたえる者へと変えられたのです。クリスマスのメッセージはどのような時と場でも、それが神のみ旨であるならば煩うことはなく、すべて必要なものは主なるお方が満たして下さることを告げるのです。
(2018年12月23日礼拝説教より)