「最も重要な掟」
更新日:2018.3.26
マタイによる福音書22章34-46節(新約P44)
牧師 米倉 美佐男
「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか。」(36節)
レントの第5週、来週は受難週に入ります。今回は律法の専門家がイエスを試すためにやってきました。律法の専門家らしく律法の教えで一番大事な教えは何かと問います。それ自体はいけないことではありません。ただその意図が
問題です。主を試すためであり、主を試すことはまさに先に指摘された聖書も神の力も知らない、思い違いの信仰です。イエスは彼らの慇懃無礼さに対し、声を荒げて叱らずに静かに答えられます。
「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。」これが最も重要な第一の掟、第二も、これと同じように重要だと言われ、「隣人を自分のように愛しなさい。」を示され、律法と預言者はこの二つの掟に基づいていると言われたのです。この二つは切り離せません。神を愛していると言いながら兄弟を憎む者は偽り者である。神を愛する者は兄弟をも愛すべきだと言われている通りです。
専門家たちは主が第一の掟申命記6章4-5節を示されることは予測していました。でも、第二の掟レビ19章18節を同列に示されるとは思わなかったようです。最後の反応がそれを示しています。もし第一だけだったら、きっと、それならローマ帝国に対して反旗を翻せと迫ったことでしょう。計画は当てが外れました。逆にイエスから問われます。「あなたたちはメシアのことをどう思うか。だれの子だろうか。」彼らは「ダビデの子です。」と答えます。イエスの問はキリストをどう思っているのかという問いです。詩編110編1節を引用し、あなたたちの期待するメシアとは何だという問いです。主イエスこそ神の子キリストです。そのことが問われているのです。重要なのはキリスト告白です。
(2018年3月18日主日礼拝説教より)