札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「子供たちを来させなさい」

更新日:2017.10.23

マタイによる福音書19章13-15節(新約P37)

牧師 米倉 美佐男

「そのとき、イエスに手を置いて祈っていただくために、人々が子供たちを連れてきた。」(15節)

子供たちを主のもとに連れてきたのは評判の偉い先生に祝福をしてもらうためでした。ところが弟子たちは人々を叱りました。どうして叱ったのでしょうか。考えられるのは先生が疲れているからゆっくり休ませてあげたいという配慮、それとも自分たちがゆっくり先生の話を聞くのに子供がいると邪魔だからだったのか。その時、イエスが言われます。「子供たちを来させなさい。わたしのところに来るのを妨げてはならない。天の国はこのような者たちのものである。」(14節)、そして子供たちに手を置かれました。

私たちはよく信仰の継承、家族伝道を問題にします。今朝の箇所に良いヒントがあります。私たちは主イエス・キリストを信じて祝福を、救いを求めます。だとすればその救いを自分の子供や孫、身近な者にも与えることを願うのが本当なのではないでしょうか。子供を主のもとに連れてくることが大事なのです。一番大切なものを伝えたい、残したいという熱心さが必要なのです。

子供たちにも真の信仰を伝える責任が大人にはあるのです。強制ではなく、祈りを持って導く責任があるのです。自分たちだけ天国に行ければいいとは思わないでしょう。ルカ福音書では乳飲み子までもとあります。赤ちゃんも一緒に主のもとに連れてくるのです。イエスは天の国はこのような者たちのものだと言って、子たちを祝福されました。弟子たちはこのことを見失っていました。救いは子供たちにはわからない、大人だけのものだ。そうではないのです。そして、子供を信仰者と導くのは親だけの責任ではなく、教会も親と一緒に子供を育てていくのです。子供を礼拝から閉め出すのではなく、共に育てていくことを大切にしていくのです。家族と共に祈り続けましょう。

(2017年10月15日礼拝説教より)

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