「12弟子の選びと派遣」
更新日:2017.2.6
マタイによる福音書10章1-15節(新P17)
牧師 米倉 美佐男
「イエスは12人の弟子を呼び寄せ、汚れた霊に対する権能をお授けになった。」(1節)
12弟子の選びと、伝道のための派遣が記されています。後半記事は正確には、伝道に当たっての心備えです。選ばれた弟子たちはこの世的には全く無名の人々でした。自分からイエスに弟子にしてくださいと願って弟子入りしたわけではなく、イエスの方から、従いなさいと命じられ、呼びかけられて従った人々でした。大切なことは、主の招きに素直に応じることです。求めているから主に出会うことができますが大事なのは召しにあるのです。求めに先立つ主の招きがあることを知ることです。
12弟子は教会を表わしています。「汚れた霊に対する権能」、汚れた霊を追い出し、あらゆる病気や患いをいやす力が託されました。今日の教会は託された権能を果たしているとは言い難い現状です。反省をすることが必要です。
主イエスは弟子たちを派遣するに当たり、異邦人の道に行くな、サマリヤ人の町に入るな、イスラエルの家の失われた羊のところへ行けと命じられました。また、「行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝え、病人をいやし、死者を生き返らせ、らい病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい。その他最低限の旅支度ででかけよ」と言います。告げるのは「平和があるように」との挨拶です。誰に何をどのように。限られた時間、人数でできる限りのことを恐れず、臆せずどうどうとすべきことを弁えてなせとのご命令です。人々が福音を受けるにふさわしければ、彼らに与えられる。もし、ふさわしくなければ与えられない。あなたがたの言葉に耳を傾けようともしない者がいたら見切りをつけて次の場所に行きなさい。与えた権能をフルに発揮して伝道し続けなさいと。それを私たちがどう聞くかが今日的課題です。
(2017年1月29日主日礼拝説教より)