「狭い門から入りなさい」
更新日:2016.8.1
マタイによる福音書7章13-14節(新P12)
牧師 米倉 美佐男
「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。」(13-14節)。
「狭い門から入りなさい」、きっと多くの人たちはアンドレ・ジッドの小説「狭き門」をすぐに思い浮かべると思います。この聖書箇所からきていることも知られています。
「狭い門から入りなさい」と言われています。流れからいうと、今まで読んできた山上の垂訓に続いて7章13節以下が続きます。ここには同じ内容の事が三つの譬え話で語られています。第1が今日の箇所で門と道、第2が15-23節の木とその実の譬え、第3は24―27節の家の土台の譬えで、いずれも二つの正反対のものが対比的に語られています。狭い門と道対広い門と道、良い実を結ぶ良い木対悪い実を結ぶ悪い木、岩を土台にした堅固な家対砂を土台にしたもろい家。三つの角度から示します。それが山上の垂訓の結論です。
「狭い門」「細い道」とは何でしょうか、それが問題です。狭いのも細いのも、入りにくいし、入ろうとしても、行こうとしても、入れない、行けないことがあります。主がここで示されるのは、今まで培ってきた常識や、習性、処世術等、古き我を捨ててくぐるべき門であり、歩む道なのだということです。そのゴールが救いです。広い門、道はその正反対で滅びです。多くの人々は楽な方、広い方へ行こうします。しかし、命に至る救いを見出す者は少ないのです。あなたならどうする?と主は問われます。もちろん主が願っておられるのは命へと至る道へと皆が歩むことです。道と門は二通りしかないのです。グレーゾーン(中間)はありません。主の招きに耳を傾けましょう。
(2016年7月24日主日礼拝説教より)