札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「目には目を、歯には歯を」

更新日:2016.5.16

マタイによる福音書5章38-42節(新P8)

牧師 米倉 美佐男

「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。」(38-39節)
今朝は母の日統合礼拝として献げます。「汝の父母を敬え」との十戒のみ言葉の精神によって子どもと大人の礼拝としてこの時を覚えましょう。

今日の聖書は「目には目を、歯には歯を」から始まります。この箇所をどのようにお聞きになるでしょう。有名なハンムラビ法典に典拠があります。旧約聖書では出エジプト記21章23節以下、申命記19章21節にみることができます。同態復讐法と呼ばれる法律です。被害を受けた時、最低限の賠償は必要です。ただ、それ以上の反撃はしてはならない、という、報復の連鎖を断ち切るための思いやりのある法です。キリスト者の生き様の第4番目生活として語られました。

「右の頬を打たれたら、左の頬も向けなさい。」さらに、求める者にはおしみなく与えなさい、と言われます。「目には目を」は倍返しを防ぐための法でした。キリストはそれ以上の赦しを要求されます。私にできること、金銀はなくても、わたしにあるもの、ナザレ人イエスの名によって歩む道があることを伝えましょう。個人的な恨み、権利、意見や欲を捨てて歩むことを主は求めておられます。私たちの実態をすべてご存知の上で「我に従え」と招いて下さっているのです。主の十字架を仰ぎ見て主に従い、主と共に歩みましょう。キリストがわがうちにおられます。私がするのではありません。できません。左の頬を出すことも、上着を与えることも。主が共にいて下さることによってすべてが可能となるのです。キリストによって何事でもすることができるからです。

(2016年5月8日母の日統合礼拝説教より)

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