札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「大きな喜びの告知」

更新日:2015.12.28

ルカによる福音書2章8-20節(新P103)

牧師 米倉 美佐男

「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。」(10節)

クリスマスの喜びはいつの時代にも大きな希望の光を与えます。キリストの誕生はヘロデ王の時代、皇帝アウグストの時代でした。その知らせは天使によって、野で羊の番をする羊飼いたちに告げられました。主の栄光が彼らの周囲を照らしました。天使は「恐れるな」と告げ、「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシヤである。」(11節)天の大軍が加わり、「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」(14節)と讃美したのです。

キリストの誕生はこの地上に平和をもたらしました。当時の世界はローマ帝国によって支配されており、大きな戦争はありませんでした。武力によって争いが抑えられていたのです。力によってバランスが保たれていました。本当の平和とは何でしょう。聖書が示す真の平和は神によって与えられるものです。人間の力ではどうすることもできません。憎しみ合い、愛し合うことができない者たちが互いに愛し合うことができるようになることが本当の平和、平安であるのです。

天使たちが去った時、羊飼いたちは言います。「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」(15節)。彼らはベツレヘムに行き、飼い葉桶に寝かせてある主イエスを見つけ出し礼拝したのです。彼らは神をあがめ、讃美しながら家に帰って行きました。真の福音を聞いた者はその恵みの事実を自分だけのものにしておくことができないのです。誰かに伝えずにはいられなくなるのです。福音は聞くすべての者に恐れではなく平安、喜びを与えてくれます。福音の真理は恐れから解放され、恐れで始まったものが讃美をする者と変えられるのです。それがクリスマスの喜び、大いなる恵みです。

(2015年12月20日クリスマス合同礼拝説教より)

前のページに戻る