「ユダヤの地ベツレヘム」
更新日:2015.12.21
ルカによる福音書2章1-7節(新P102)
牧師:米倉 美佐男
「そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。」(1節)
アドヴェントの第3週に入りました。クリスマスの喜びを伝えるために私たちに何ができるでしょうか、また、何をすべきでしょうか。各自できることを何か一つしてみませんか。クリスマス礼拝、イブの礼拝に一人でも二人でも家族や知人友人を誘ってみましょう。案内のハガキ1枚、チラシ1枚でもいいからどなたか知人にお出しください。それも難しい方は具体的にどなたかを覚えてお祈り下さい。
今朝お読みした聖書の箇所には、主イエスの誕生の頃の時代的背景が記されています。皇帝アウグストゥスの時代、キリニウスがシリア州の総督の時に住民登録が行われたこと。そのためにヨセフとマリアがガリラヤのナザレからユダヤの地ベツレヘムへ行ったのです。そして預言通りベツレヘム滞在中に主イエスはお生まれになりました。驚くべきことにまことの光であるキリストが来られたのに人間の側では充分な場を備えておらず、ひっそりと、知る者しか知らない仕方で救い主メシアは誕生されたのです。
けれどもそれこそ福音(良い知らせ)と呼ばれる大いなる出来事でありました。人間の側の不完全さにも拘わらず主なる神は、独り子をお与え下さいました。私たちの救いのために、いつも共にいてくださるインマヌエルの君として。明らかなことは、約束されたメシアの誕生が初めからこの地上における最高権力者のもとにあって起こった出来事として、世俗的企てである住民登録によって、約束の地で起こった出来事は預言の成就として完成したと証されたのです。この世は富と権力によって支配され動かされるが、王の王としてお生まれになった主イエスは、権力のかけらもない飼い葉桶を寝床とするような仕方で、この世の権力や富とは無関係に、罪を解放し真の救いをもたらすメシア、キリストとしてお生まれになられたのです。
((2015年12月13日待降節第3主日礼拝説教より))