札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「葬りの備え」

更新日:2014.9.29

マルコによる福音書14章1-9節(新P90)

牧師:米倉 美佐男

「この人はできるかぎりのことをした。」(8節)

本年は札幌教会創立125年の時を覚えています。
最初十数名の家庭集会で始まったこの群れが、今日もなおこの場所でイエス・キリストを証し、讃美する群れとして生かされていることを主に感謝いたします。
今日お読みしたマルコの記事の少し前に主イエスはゲッセマネの園で弟子たちに「目を覚ましていなさい」と何度も語られました。その後十字架に向けて急速度で向かわれます。

十字架に向けての動きが本格化したのは過越し祭と除酵祭の二日前でした。祭司長や律法学者たちはイエスを何とか殺そうとやっきになっていたのです。その流れの中で象徴的な出来事がありました。
ベタニヤでらい病人シモンの家で、イエス様が食事の席に着かれていた時、一人の女性が高価なナルドの香油を惜しみなくイエス様の頭に注いだのです。
これが無駄遣いだと憤慨する者たちもいました。この香油を三百デナリオン以上に売って、貧しい人人に施すことができたと文句を言います。

主イエスはどうされたでしょう。主イエスはみんなが無駄遣いだとしか見えない事の中に、本当は見なければならない事があることをお示しになられました。
主イエスは言われます。「するままにさせておきなさい。」と。女を困らせるのでなく、彼女のした行為そのものに目を向けよと。
それは主の葬りの備えであり、本当は弟子たちがしなければならないことなのです。それなのに、できるかぎりのことをした女性をなぜあなたがたは憤るのか。
女性を非難する前にあなたがたがすべきことはないのか。あなたがたがなすべきことは十字架の葬りの備えなのだと。
今しなければならないことをしなさいと言う主の御声を聞いて主のためにできるかぎりの宝を献げましょう。

(2014年9月21日永眠者記念礼拝説教より)

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