札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「天の故郷」

更新日:2014.2.24

ヘブライ人への手紙11章8-22節(新P415)

牧師:米倉 美佐男

「ところが実際は、彼らは更にまさった故郷、すなわち天の故郷を熱望していたのです。」           (11章16節)
天の故郷(パトリスfather land祖国)は天国です。それは私たち信仰者の帰るべき故郷です。信仰によって、「アブラハムは、自分が財産として受け継ぐことになる土地を出て行くように召し出されると、これに服従し、行く先も知らずに出発したのです。」(8節)。族長と呼ばれるアブラハム・イサク・ヤコブはイスラエルの父祖たちです。アブラハムの妻サラもみな信仰によって神の御旨を受け、信仰を持って死にました。彼らはこの地上では仮住まいの者、旅人でありました。

聖書によるなら私たちの信仰の原点はアブラハムが神から召しを受けたその時から始まりました。彼は主の言葉に従って旅立ったのです。どこへ行くかも知らずにただ神の言葉に呼ばれて、自分の受け継ぐことのできる権利のある土地に固執せず、地上の故郷から旅立ちました。神に呼ばれたから、それに応じたのです。それが召命です。
そこから民族の歴史、信仰の歴史がスタートしました。

信じることは故郷に別れを告げることでもあります。さらに言われていることは、信仰とは地上ではなく、天に神が設計し、建設する、堅固な土台を持つ都を待望することだと言われます。今日私たちの教会だけでなく、多くの教会が若い人々がおらず、いったい先はどうなるのかという不安を覚えます。その時に現実に絶望するのでなく、天の故郷を仰ぎ望み、信仰によって何をすべきかを求めて行くのです。神は生きて働いておられます。信仰によって私たちが目に見えるものだけがすべてを決めるのではないことを知って前進するのです。私たちの神は自らを私たちの神と呼ばれる事を恥としないお方です。私たちには主イエス・キリストの救いを受けて神と共に歩む幸いが与えられているのです。

(2014年2月16日礼拝説教より)

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