「主の栄光が現れる」
更新日:2013.12.9
イザヤ書60章1-3節(旧P1159)
牧師:米倉 美佐男
「起きよ、光を放て。あなたを照らす光は昇り 主の栄光はあなたの上に輝く。」(60章1節)
本日からアドヴェントに入ります。ローソクに一本ずつ灯を灯しながら喜びの時を迎えましょう。アドヴェントは「待降節」と呼びますが、言葉の意味は「到来」です。長く待ち望んだメシア、救い主が到来されるのです。「久しく待ちにし救いの主来たり」です。
古代のイスラエルは、エジプト、アッシリア、バビロニアなど周囲の大国によって征服され、苦難の歴史をたどっていました。その中からメシアの到来を待ち望む信仰が生まれ、代々に渡って語り継がれました。そして待ちに待った約束のメシアが与えられたのです。それがナザレのイエスです。預言者イザヤは次のように語ります。「起きよ、光を放て。あなたを照らす光は昇り、主の栄光はあなたの上に輝く。見よ、闇は地を覆い 暗黒が国々を包んでいる。しかし、あなたの上には主が輝き出て主の栄光があなたの上に現れる。」(60・1−2)。
今朝の記事はバビロン捕囚から解放され、エルサレムに帰還したものの、故郷エルサレムの復興は思うようにいかず、経済的、社会的苦しさに希望を失いかけている者たちへの希望のメッセージです。確かに帰還後のエルサレムは荒れ果て、復興にどこから手をつけたらいいのかも分からないような困難な状況でした。人々の気持ちも希望を見いだせず、暗闇の時代でありました。預言者はそのような中で、夢も希望も見失っている人々に「あなたを照らす光」、「主の栄光の到来を」告げるのです。どのような苦しい状況にあっても主の到来を信じて「起きよ、光を放て」と預言者は語ります。彼らは時代時代の中で常に主なる神を仰ぎ見、主の御言に聞き、主のメッセージを語り継いだのです。預言者の言葉をクリスマスの真実を知るために、今もなお正しく聞く必要があるのです。
(2013年12月1日礼拝説教より)