「見よ、この男だ」
更新日:2013.4.15
ヨハネによる福音書19章1-16節a(新P206)
牧師:米倉 美佐男
先週はイースターの喜びを共に祝う事ができました。心から感謝します。今朝の聖書は主イエスの裁判の記事が記されています。ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、と、使徒信条にも告白されています。主はユダヤのローマ総督であったピラトによって十字架に架けられました。しかし、不思議なことにピラトは何度も主イエスを救おうとしました。いくら調べてもイエスに罪を見い出すことができないと言い、イエスを解放するために様々な提案をユダヤ人にしています。彼らは聞く耳を持たず、十字架につけよの一点張りです。ピラトは仕方なくイエスを捕えて鞭で打たせました。
「見よ、あの男をあなたたちのところへ引き出そう。」(4節)、「見よ、この男だ」(5節)、「見よ、あなたたちの王だ」(14節)。
いずれもピラトの言葉です。福音書の記者は明確に主イエスを見なさいと聞くものたちに促すのです。それもただ見るのではなく、正しく主イエスを見つめ、このお方がどのようなお方であるのかを知りなさいと。残念ながら言った当のピラトが本当に分かってはいませんでした。ユダヤ人たちの脅しに負けて、自分の地位保全のためにあと一歩のところで正しく主を受け入れることができませんでした。
5節の「見よ、この男だ」(エッケ ホモ)に注目してください。讃美歌の280番(現行讃美歌121番)「まぶねの中に」、由木康先生の作詞、阿部正義先生の作曲で有名な日本人作のなじみ深い讃美歌はここがテーマです。見よ、この人を。この人を見よ。主イエスを見るのです。見なければならないのは何か。主イエスだけです。主イエスのみを救い主と信じる生き方へとわたしたちは招かれているのです。ピラトがどのような思い、意味で言ったかは分かりませんが、14節「見よ、あなたたちの王だ」。主イエスこそが王の王、キング オブ キングスであるのです。
(2013年4月7日礼拝説教より)