札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「ペトロの否認」

更新日:2013.3.25

ヨハネによる福音書18章12-27節(新P204)

牧師:米倉 美佐男

レントの第5週となりました。主イエスは逮捕され大祭司のもとに連行され尋問を受けられました。衝撃的な出来事です。あろうことか弟子のペトロは、「イエスの弟子ではないか」と問われた時に、「違う」と3度までも否定してしまいます。その時、かつて主イエスが予告していたように、鶏が鳴いたといいます。このことは弟子たち、特にペトロにとってはどうしても告白し後世に語り継がずにはいられない出来事であったのです。

大祭司アンナスのところで主イエスは尋問されました。裁判を受けたのです。そのことでヨハネ特有の記事が一つあります。「大祭司はイエスに弟子のことや教えについて尋ねた。」(19節)、イエス及びその弟子たちがどのような組織かを確認しています。イエスのお答えは、何も隠すようなことはない。私の話を聞いた人々から直接聞けばよいでした。至極ごもっともな主のお答えです。イエスご自身は弟子たちのことについては直接何も触れません。ところが、ここでペトロという弟子の代表を通して弟子たちがどのようなものであったかが語られているのです。

ペトロはもう一人の弟子と共に大祭司の屋敷に入りそこで門番の女性から、「イエスの弟子の一人ではないか」と聞かれ「違う」と否認したのです。一度ならず二度,三度「違う」と否認してしまうのです。すると鶏が鳴きました。かつて主イエスが言われたとおりになりました。それが現実でした。愛する主との関係を否定したのは捕まれば自分が殺されるという恐怖心でした。主イエスが弟子思いなのに、弟子は我が身可愛さで主を否認するのです。我が身を守るためには師をも捨ててしまうような者のダメさを知りながら、主は赦し、用いてくださるのです。主の十字架と復活を経て弟子たちは自らを主のために献身することができたのです。

(2013年3月17日礼拝説教より)

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