「東からきた博士たち」
更新日:2013.1.15
マタイによる福音書2章1-12節(新P2)
牧師:米倉 美佐男
「イエスは、ヘロデ王の時代ユダヤのベツレヘムでお生まれになった。」(1節)マタイの福音書は最初イエスの系図と主がどのようにお生まれになったかを記します。続いていつ、どこでお生まれになられたかを記します。それはこの出来事が架空のことではなく歴史的事実であったことの証です。「ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。」。東の方から来た占星術の学者たち、彼らはアッシリア、バビロニア、ペルシア、今のイラン、イラクのあたりからメシアを訪ねてやって来ました。遠い地から、しるしの星を発見したので、危険を顧みずメシアを拝みに来たのです。
この時、学者たちから「ユダヤ人の王としてお生まれになった方」との言葉を伝え聞いたのはヘロデ王でした。王は不安になりました。自分の地位がおびやかされると思ったからです。エルサレムの住民も同様でした。人々は不安になった王が荒れ、自分たちに危害が降りかかるのを恐れたのです。東からきた学者たちは違います。彼らはメシアについて十分な情報を持っていたわけではありませんでした。生まれた場所さえ知らず、生まれた時も知っていたわけではありません。ただしるしを信じてメシアを拝むために遠い旅をしてきたのです。
ここには三者三様の在り方が示されます。けれども本当に問われているのは私たち自身の信仰です。周囲や今の世の現実の中で、家庭の中で様々な問題を抱えながら、主イエスというメシアをまことの救い主として拝んでいるでしょうか。大事なのは知識は十分でなくても信じて求めて主の御許にまかり出る、人々が不思議に思い感じるほどの喜びを心に持って、ひれ伏して拝み、献げて行くそのような群れとして歩むことを、新しき年の最初の主の日に覚えたいと願います。真の光を見、その光を求める者には真の光が与えられるのです。感謝。
(2013年1月6日礼拝説教より)