「救いを見なさい」
更新日:2012.9.10
出エジプト記14章10-14節
牧師:米倉 美佐男
今朝の礼拝は123周年記念礼拝です。
今朝は出エジプト記を読みました。モーセによってイスラエルの民はエジプトを脱出することができました。エジプトでの奴隷生活から解放され、約束の地カナン(パレスチナ)に帰還する話です。ヤコブおよびその子たちは時が流れると、やがてヨセフのことを知らない別王朝にエジプトの国はなりました。時のファラオ(エジプト王)はイスラエルの民の驚異的な増加ぶりに脅威と不安を抱き、イスラエルの民を奴隷化したのです。そして、過酷な労役をイスラエルに強いたのです。民は苦しみ、嘆きの声を上げました。その声が天に届き、主なる神は民を救うためにモーセを指導者としてお送りになりました。モーセは何度もファラオと交渉し民をエジプトから脱出させるのに成功したのです。
イスラエルはモーセによって無事エジプトを脱出することができました。けれどもファラオは心変わりし、エジプトの軍隊をイスラエル再獲得のために送り出します。エジプト軍が海辺でイスラエルに追いついた時、不思議な現象でエジプト軍は海に没し、イスラエルは奇跡的に難を逃れることができました。しかし、追いつかれた時、追いついたエジプト軍を目の前に見た時、民は恐れおののき、主に向かって叫び、モーセに向かってなじります。「われわれを連れ出したのは、エジプトに墓がないからですか。荒野で死なせるためですか。一体何をするために導き出したのですか。」と。
かつて、エジプトの過酷な苦役に音を上げていたことも忘れ、目の前に困難が迫るとすぐに弱音をはくのです。さらに指導者に文句を言います。まだエジプトにいた時のほうがましだった。苦しい時、辛い時にはこの状態から解放されるなら何でもしますと言っておきながら。困難な状態から解放され、再び困難が迫るとこんなはずではない、だれもこんなことを頼んでいない、願っていないと。イスラエルの不平不満は決して彼らだけではありません。モーセは指導者として言います。「恐れてはならない。落ち着いて、今日、あなたたちのために行われる主の救いを見なさい。」
創立123周年を覚える今日、わたしたちも、静かに神のみ旨がどこにあるのかを聞きながら、確かに与えられている主の救いを見ようではありませんか。諸先輩が見上げた十字架と復活の主を信じてさらに先に続く歴史の一歩を主と共に歩み出しましょう。
(2012年9月2日礼拝説教より)