「永遠の命に至る食べ物」
更新日:2012.1.8
ヨハネによる福音書6章22-33節
牧師:米倉 美佐男
主イエスは五つのパンとニ匹の魚をもって五千人以上の群衆を養われた後の出来事です。群衆の中のある者たちが主イエスを慕いカファルナウムやその他の地からやってきました。彼らに主イエスは「朽ちない、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい」と言われます。群衆が「何をしたらよいでしょうか」と尋ねると「神のパンは天から降って来て、世に命を与える」と言われます。すると群衆は「そのパンをいつもわたしたちにください」と言いました。 イエスは群衆にあなたがたがわたしを捜しているのはしるしを見たからではなく、パンを食べて満腹したからだと言われます。
随分皮肉っぽい言い方です。動機がさもしいと言っているようなものです。もっともしるしであっても、少しも本質を理解していないと指摘していることに変わりはありません。奇跡の後には、あなたはきたるべき預言者だとか王だといいながらそれはパンを与えてくれるという現実的利益の優先でしかなかったからだといわんばかりです。それは「朽ちる食物」です。その時は一時的に満腹してもすぐに飢えてしまい、次を求めるようになります。主は群衆に本当の満足を与えてくれるものを求めなさいというのです。「永遠の命に至る食べ物」を「朽ちる事のない食べ物」を。
あなたたちは「永遠の命に至る朽ちない食べ物のために働きなさい」それが主のご命令です。なくてならぬものは多くないのです。いやたった一つです。にもかかわらず群衆は言うのです。「神の業を行うためには、何をしたらよいか」。主は「神がお遣わしになった者を信じること、それが神の業」だと言われました。主イエスを信じることが神の業です。主は朽ちない食べ物、永遠の命に至る食べ物です。永遠の命を得ることは主イエスをキリストと信じることです。「神のパンである主イエスは天から降って来て世に命を与えるもの」なのです。それが主のお答えでした。
(2012年1月8日礼拝説教より)