「大きな喜びを告げる」
更新日:2011.12.25
ルカによる福音書2章8-21節
牧師:米倉 美佐男
「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」(11節)
クリスマスのメッセージは闇の世界に真の光が差し込んだことを告げています。それは創世記の最初に書かれた出来事、混沌の世界に「光あれ」との神の言によって秩序がもたらされたのと同じです。
その喜びのメッセ−ジを私たちは福音と呼ぶのです。福音はまず野宿をしている羊飼いたちに与えられました。羊飼いたちは彼らの日常の生活の中で昼間は羊たちに草を食べさせ、夜は眠る羊たちを猛獣から護るために交代で寝ずの番をするのです。
そこに天使が現れ、主の栄光が周囲を照らしました。羊飼いたちは恐れました。恐れずにはいられない崇高かつ厳粛な光景がそこにはありました。天使は言います「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。」(10節)
クリスマスのメッセージは暗黒の世界、まんじりともせずに暁を待つ状態の中で響きます。「恐れるな」と。その中身は万民が喜ぶ大きな喜びです。メシアがお生まれになった。そのお方は飼い葉桶の中に眠っている。そのように告げるや、突然天使の大軍が加わり「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」(14節)と讃美の歌声が響きます。羊飼いたちは御告げを受けて話し合い「さあ、ベツレヘムへ行こう。」とスタートしました。そしてマリアとヨセフ、飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を捜し当て拝んで帰ります。羊飼いたちはこの幼子について天使が語ったことを人々に告げ知らせたのです。聞いた人々は羊飼いたちの話を不思議に思いました。しかし、私たちの目には不思議であっても、神のみ手のうちにはあるべくこととして起こった出来事、神の約束の成就です。
(2011年12月25日礼拝説教より)