「悪しき陰謀」
更新日:2011.2.13
使徒言行録23章12-35節
牧師:米倉 美佐男
「夜が明けると、ユダヤ人たちは陰謀をたくらみ、パウロを殺すまでは飲み食いしないという誓いを立てた。」(12節)
事態は大きく変化し、ユダヤ人たちはパウロを殺すまでは飲み食いしないという誓いまで立てて殺意をあらわにします。このたくらみに関わった者は40人以上もいました。彼らは祭司長や長老たちと相談し、何とかパウロを亡き者にしようとしたのです。
ここでなされた陰謀はパウロの暗殺です。その計画自体はまともではありません。最初からパウロを認めるわけにはいかないという前提で計画されたものでした。ユダヤ人側の答えは最初から決まっていました。それを実行するために有無を言わさずに自分たちの主義主張を通すためにあらゆる手段を彼らは講じています。それは本来信仰者のすべきことではありません。信仰者が求めるべきものは神のみ旨です。そのためにどんな状況の中でも恐れず祈りと讃美をもって歩むのです。それがパウロの選んだ道でした。
パウロはローマ市民権を有するローマ市民です。彼の裁判権はローマ総督のもとにありました。ユダヤ人は彼を殺そうとしています。彼を守るのはローマの主権なのです。彼が告発された理由はユダヤ人内部の律法の問題でした。ローマ法ではいかなる犯罪も彼はおかしていません。ユダヤ人の陰謀との訴えがあるので告発人であるユダヤ人自身が総督に訴えよと千人隊長はユダヤ人に命じました。裁くのは主であり人間ではないのです。教会には神か託された確かなものがあります。それは主のご栄光を人々に伝えることです。それを通して教会は社会に証をするのです。私たちはキリストと教会に仕えることによってこの世に主を証しして行くのです。陰謀は全く無意味です。
(2011年2月13日礼拝説教より)