「勇気を出せ」
更新日:2011.2.6
使徒言行録22章30-23章11節
牧師:米倉 美佐男
「勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない。」(23・11節)
自分の進むべき道が示されればそこに向かって進むしかないと言うパウロの心境が披露されています。
千人隊長はパウロがローマ市民であることを聞いて当惑し、どのように取り扱ったらよいか思案にくれた結果彼が選んだのはユダヤ人同士で裁かせる方法でした。祭司長と全議会を招集して裁かせました。パウロは捕らわれの身でありながら常に堂々と語りました。時には裁かれる立場とは思えないような発言をしています。大祭司アナニヤとのやり取りでも一歩も引きません。さらに巧妙なのは、議会の構成メンバーがファリサイ、サドカイ派、両派からなっているのを見て、声を高め、自分はファリサイであると告知し、問題にされているのは復活問題だと言って(逮捕理由は神殿冒涜)、問題を摩り替えてで目的優先の法廷戦術を取りました。議会はねらい通り分裂、騒ぎは大きくなり、収拾がつかず千人隊長は状況が悪化することを心配してパウロを保護するように命じました。
伝道のためには出来る限りのことをしてその目的にそうように方法をこうじる勇気を学びたいと思います。しかし、それは己の自己満足のため、自己実現のためにするのではありません。キリストに迫られてせざるを得ないという思いをもって伝道に邁進するのです。それがパウロそして最初の教会の姿でありました。使徒言行録はパウロを通してそれを示しているのです。ローマでも証しをしなければならない。私たちもここ札幌で証をするのです。キリストによって得ることのできた大いなる恵みを。そしてそれに与る素晴らしさを自分だけのものにしてはならないのです。主が命じられるのです。あなたがわたしのことを力強く証ししなさいと。
(2011年2月6日礼拝説教より)