「パウロの回心」
更新日:2011.1.30
使徒言行録22章6-29節
牧師:米倉 美佐男
パウロの回心記事は使徒言行録に3度記されています。
9章、22章と26章に記されています。繰り返し語ることによってそのことがどんなに大きな出来事であったかを証ししています。パウロはダマスコに向かう途中、光であるイエス・キリストに出会いました。イエスは「ダマスコへ行け」と命じられ、言葉とおりダマスコに行くとそこでアナニヤという信仰の先輩が与えられました。アナニヤはパウロに主イエスの証人として生きなさい。ためらわずに洗礼を受け、罪を洗い清めなさいと言いました。その後、パウロはエルサレムに行き、祈りの中で主がパウロに異邦人伝道に行くようにとのみ声を聞いたのです。
この話を聞いていた群集はそれまでの静けさから打って変わって、「こんな男は地上から除いてしまえ。生かしておけない。」あまりに群集の興奮が激しいので千人隊長はその原因を探るためパウロを取り調べることを命じます。取調べのため百人隊長がパウロの両手を縛り、鞭打とうとした時、パウロは言いました。「ローマ帝国の市民権を持つものを裁判にもかけずに鞭打ってもよいのか」と。パウロのローマ市民であるとの告知は百人隊長を驚かせます。百人隊長はあわてて千人隊長に報告に行き指示を仰ぎます。市民権は多額の金銭で買うこともできましたが、パウロは生まれながらの市民です。これが大どんでんがえしとなり、パウロの念願であったローマでの伝道への道が開けました。
どのような状況の中でも確かな目的意識をもつことの大切さを確認しましょう。最後まであきらめないで目標を見続けて歩むのです。そして必要な情報を正確に伝え、余計なことは言わない。本当に必要なことだけを明確に伝える。一番大切なことは自分のためにではないのです。己の名誉や面子のためでもない。ただ主のため、キリストのためにするのです。主は言われます。わたしがあなたを遣わすと。静かに耳をませて私を導く主のみ声に耳を傾けましょう。
(2011年1月30日礼拝説教より)