札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「お言葉どおり」

更新日:2011.12.11

ルカによる福音書1章26-38節

牧師:米倉 美佐男

 「おめでとう、恵まれた方、主があなたと共におられる。」(28節)。
受胎告知と呼ばれている聖書の箇所です。天使ガブリエルがガリラヤのナザレの町にいるヨセフのいいなずけ、おとめマリアのところに現れ、マリアに告げました。
マリアはその時どうしたでしょう。聖書は記します。彼女は戸惑ったと。その戸惑いは当然の戸惑いでした。

この挨拶は何のことかと彼女は考えます。おめでとうと言われても、恵まれた方と言われても、それは何?理由が分かりません。彼女は不安を感じました。天使はさらに「あなたは神から恵みをいただいた」と言います。その恵みとは、「あなたは身ごもって男の子を産む。そして名をイエスと名づけなさい。」でありました。到底、はい、そうですか、ありがとうございます、とは言えません。えっ、何で?どうして?うろたえて当たり前の内容です。私たちはここから何を聞くことができるでしょうか。この箇所は何を語っているのでしょう。それは私たちにとって何が大切か、私たちはいったい何者なのかを教えています。

マリアとヨセフにとって、天使のお告げはありがたくない現実でした。だれからも祝福されない現実でした。けれどもそれは強制的であっても彼らは引き受けなければならない定めでした。主なる神が定めたがゆえに。しかもそれを恵みとして受けよと言われます。聖書の語る恵みは、いつ、どの様な状況の中でも神の与える祝福が確かにあるということです。私たちに与えられる恵みは主が共におられる恵みです。神が与えてくださったイエス・キリストです。どのような試練の中にも神から与えられる確実な支え、祝福がある。それが信仰の恵みです。 マリアは受け入れました。試練の中にあっても「神が共におられ」「主イエスがおられる」。彼女はその時、「私は主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように」と告白できたのです。

(2011年12月11日礼拝説教より)

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