「勇気を出しなさい」
更新日:2013.2.18
ヨハネによる福音書16章25-33節(新P201)
牧師:米倉 美佐男
「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」(33節)。
主イエスは弟子たちに「勇気を出しなさい。」と言って長い説教を締め括ります。説教の始めでは「心を騒がせるな」と語り出され、終わりは「勇気を出しなさい。」で閉じられます。弟子たちが抱く不安や恐れに対して、それを克服する勇気が主によって与えられるのです。
29節以下に弟子たちは主イエスの言葉を受けて、主が何でもご存知だということを語ります。今更?とも思いますが、ここにきてようやく弟子たちは、主に対する全幅の信頼を寄せ、その時にはもう何も尋ねなくても良い、尋ねる必要がなくなったと言うのです。今、心底あなたを信じます、という告白をしたのです。続く主のお言葉は「今、ようやく、信じるようになったのか。」と続き、もうすぐ十字架の時が来る。そうするとあなたがたは私を捨てて、みな散らされる、と言われます。でも案ずるな、あなたがたはこの世においてはまだ困難があるが、私は平安を与える。そして勇気を出せ、と語られます。
すべてのことには時があるのです。弟子たちはようやく自分たちも先生のおっしゃる意味が分かった。ところが主イエスは、彼らに対し、まだ時が必要だと言われます。待たなければならないと示されます。主が語られるようにに定められた「時」を待つのです。主の十字架を前にして目の前が真っ暗になり、不安にかられた弟子たちは自暴自棄になりみんなの思いはばらばらになってしまいました。ヨハネがここで書き残そうとしたのは、私たちの信じるお方、主イエスは私たちの思いや行動をすべてご存知の上で私たちの罪を赦すため、贖いの犠牲として命を十字架に献げて下さったのです。
(2013年2月10日礼拝説教より)