札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「平和の王」

更新日:2013.10.15

ヘブライ人への手紙7章1-10節(新P407)

牧師:米倉 美佐男

「このメルキゼデクはサレムの王であり、いと高き神の祭司でしたが、王たちを滅ぼして戻ってきたアブラハムを出迎え、そして祝福しました。」(7章1節)
アブラハムという人物は偉大な人物です。そのアブラハムを祝福したのがメルキゼデクです。彼はサレムの王であり大祭司でした。私たちの主イエス・キリストは彼らに優るお方です。それが著者の伝えたいことでした。

アブラハムが改名前のアブラムであった時代、甥のロト一家が王たちの戦いに巻き込まれ窮地に陥りました。勇敢にもアブラハムは訓練されたわずか三百余の兵でロト一家を救出したのです。その時メルキゼデクから祝福を受け、そのお礼に戦利品の十分の一をメルキゼデクに献上しました(創世記14章)。メルキゼデクに関する記事は彼がサレム(エルサレム)の王、平和の王であったと記します。偉大なアブラハムを祝福した偉大なメルキゼデク。そしてイエス・キリストはもっと偉大な王であり祭司であった。

創世記14章の記事はメルキゼデクの誕生や生に関して何も記しません。人間としての生涯に重きを置かないからです。ただ、メルキゼデクは聖書の記事に出てくる間だけ祭司ですが、キリストは永遠に祭司であり続けます。またメルキゼデクはレビ族の血統ではありませんがアブラハムを祝福しました。レビ系に優る祭司でした。レビ系の祭司は幾世代にも渡って死に、務めを後継者に引き継がねばなりません。けれどもメルキゼデクは死によって祭司職を失ったとの記録はありません。律法では定められた十分の一は死ぬべき人間に支払われます。メルキゼデクに捧げられた十分の一は生きている者への献げものでした。偉大なメルキゼデクと同じように、それ以上に偉大な王、大祭司であるのが主イエス・キリストです。本当のサレムの王、平和の王はイエス・キリストです。ここに平安があるのです。

(2013年10月6日礼拝説教より)

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