「油注がれた者」
更新日:2014.8.11
ヨハネによる福音書18章37節(新P205)
牧師:米倉 美佐男
「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」(37節)
ハイデルベルク信仰問答
第十二聖日 問三十一〜三十二
問三十一 何故に、主は、キリストすなわち油をそそがれた者、とよばれるのですか
問三十二 何故あなたは、キリスト者ととなえられるのですか。
最初の問に対しては主が、神の定めによって、聖霊の油をそそがれたことによって、われわれの預言者、大祭司、王となられたからだと言います。次の問では、わたしが、信仰によって、キリストのからだのえだとなったからだと言います。わたしたちも、主のみ名を告白するようになり、自分を、生きた感謝の犠牲として、主に献げ、この世にあっては、自由な良心をもって、罪と悪魔とに対して戦い、かの世においては、永遠に、主と共に、すべての被造物を支配するようになるのです。
キリストは「救い主」という意味ですが、本来の言葉はヒブル語のメシア(油注がれた者)のギリシャ語訳です。預言者や大祭司、王等、特別な務めに着く者を神の名によって聖別する目的で香油を注いだのです。キリスト者(クリスチャン)とはイエスをキリストと信じる者のことです。初代の教会で呼ばれて以来(使徒11・26)私たちはクリスチャンであることに誇りを持っています。キリストの尊い十字架の御血潮よって罪を贖われたからです。問答の書かれた時代も今も「キリスト者」であることの意味を問われているのです。キリストの体、教会の一員となることの意味を。大事なことは第一にキリストのみ名を告白し、第二に自分自身を感謝を持って主に献げ、最後に罪とサタンとの戦いを王の王である主なるキリストと共にすることです。
(2014年8月3日礼拝説教より)