「我が魂は主をあがめ」
更新日:2015.12.14
ルカによる福音書1章39-56節(新P100)
牧師:米倉 美佐男
「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。」(47節)
二本目のローソクに火を灯し、アドベント(待降節)の第2週を迎えました。与えられたルカの記事は主の母マリアがバプテスマのヨハネの母となるエリサベトの妊娠の知らせを聞き、祝いにかけつけた記事、そしてマリアの讃歌(マグニフィカート)です。わたしの魂は主をあがめで始まる主なる神の約束への感謝が美しく歌われます。神に対する救いの喜びは、主イエスによる救いの到来の喜びとして告げられます。
エリサベトとマリア、二人の女性が証するのは神の与えし、救いの確かさ、それを受ける者の幸いです。神の子、主イエス・キリストの降誕、十字架、復活がこの二人の女性を通して証されます。少女と老女。いや年取った女性と若い女性。共に無力で弱い両者の関係は単なる縁続きというだけでなく、共に神への信頼という点で結ばれています。神はこの二人をご自身の御業を現わすために選びだされ、用いられ、救いのご計画を実行されたのです。
二人に共通するのは突然あり得ないこと、喜んで受け入れ難い出来事がその身に起こったことです。あり得ない妊娠とあってはならない妊娠。しかし、二人とも神の御旨を信じて畏れを持って受け入れるのです。神の御業は時として我らの思いをはるかに超えます。彼女たちが示すのは主への信頼でした。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように。」(1:38)御言葉を信じ従うのです。主の憐れみに対する感謝です。己の小ささを知り、溢れる感謝があるところに主の与えし確かな救いがあるのです。
(2015年12月6日待降節第2主日礼拝説教より)