「求める者に良きものを与える神(マタイ㉕)」
更新日:2024.8.19
マタイによる福音書 第7章7-12節
小林克哉牧師
「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。」(7節)子どもが、父や母に、あれちょうだいと当たり前のように求め、当たり前のように与えられる。子どもは、その人が自分を愛してくれている存在、自分と特別な関係だから、ちょうだいと求めることができるのです。天の父なる神は、イエス・キリストにあってわたしたちに「求めなさい」と言ってくださるのです。
この御言葉には何を求めるかについて明示されていません。何でも求めれば与えられるということでしょうか。イエスさまは主の祈りで、日毎の糧、罪の赦し、悪からの守り救いを祈り求めなさいと教えられましたが、まず先に神の御名が崇められること、神の国=愛と恵みのご支配が来ること、神の御心が実現することを求めて祈りなさいとお教えになられました。またイエスさまは「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。」(第6章33節)と言われたのです。
「求める者は受け」(8節)るのです。神の国が、神の義が与えられるのです。どのようにしてでしょうか。イエス・キリストがわたしたちのために十字架で死んでくださることによってです。ただイエス・キリストを信じる信仰によってです。「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」(ヨハネ福音書第3章16節)神は独り子イエス・キリストを与えてくださいました。最も良いものを与えてくださったのです。
「あなたがたの天の父は、求める者に良い物をくださるにちがいない。」(11節)神はその愛により神の独り子イエス・キリストをお与えになり、イエスさまにより罪の赦し、義とされることを与えてくださいました。聖霊により信仰を、洗礼によりイエス・キリストと結ばれて神の子とされ永遠の神の国の世嗣となる希望を与えてくださいました。求める者は与えられ、探す者は神を見出し、門を叩く者は天の国の門が開かれるのです。それは自分の努力によって得ることではないのです。神は「わたしに求めなさい」と言ってくださっています。
(2024年8月11日礼拝説教より)