「本当の豊かさを知る者となる(黙示録・七つの教会への手紙②)」
更新日:2023.10.2
ヨハネの黙示録第2章8-11節
小林克哉牧師
スミルナの教会の人々もわたしたちも、イエス・キリストを信じ、神とその御言葉に従って歩む幸いを知った者たちです。それぞれにキリストに従って歩み出した最初・スタートがあり、地上における最後があります。死に至るまで歩み続けたい。
キリスト教の歴史においてスミルナ教会と言えば、殉教者ポリュカリポスの名で知られています。紀元70年頃に生まれ、黙示録を書いた牧者ヨハネの指導を受けたキリスト者であったと言われます。この手紙を青年時代に読んだ可能性が高く、後にスミルナの司教(監督・主管牧師)となった人でした。
迫害の中、群衆からリンチを受けるようにして、キリストを呪うようにと迫られます。ポリュカリポスは言いました「わたしは86年間キリストにお仕えしてまいりました。キリストは決してわたしに対して悪いことをなさいませんでした。どうして、わたしを救ってくださったわたしの主を冒涜することができましょう。」そう言って殉教したのです。
86年間とは―幼児洗礼を受けていたのでしょう―生まれてから死ぬまでのことでしょう。その間、病気になることもあったでしょうし、苦しいことや、貧しさを経験したかもしれません。しかしポリュカリポスはキリストがその最初から最後まで忠実であられたと告白することができたのです。
キリストは言われます。「わたしは、あなたの苦難や貧しさを知っている。だが、本当はあなたは豊かなのだ。」(9節)キリストは知っていてくださるのです。イエスさまはわたしたちの苦難も貧しさも、欠けも弱さも、失敗も罪も知っておられます。何度つまずいても、何度くじけても、イエスさまは忠実であられます。スミルナ教会の人々にも、わたしたちにも変わることなく、死に至るまで励まし慰め続けてくださいます。
「死に至るまで忠実であれ。」(10節)そう語りかけてくださるお方がおられます。「死に至るまで忠実であれ。」語り続けてくださるお方がおられるのです。何と豊かなことでしょうか。アーメン
(2023年9月24日礼拝説教より)