札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「神からのものか偽りか見抜け(1ヨハネ7)」

更新日:2023.8.7

ヨハネの手紙一 第4章1-6節

小林克哉牧師

ヨハネの教会で起こっていたことがありました。当時の人々の常識では、人間は霊魂と肉体からなっており、霊魂は永遠で清いが、肉体は汚れていると考えられていました。ですから永遠で清い神が汚れている肉体を取って人間になることは考えられなかったのです。ですから神が真の人となってくださった。それがイエス・キリストであるという教えは非常識に思えました。神の神秘ですから常識を超えているのは当たり前なのですが、人々が受け入れやすい教えに変えた主張が出てきたのです。
 もうイエスさまは信じないと言えば、さすがにみんな、それは違うと分かるのです。しかし全部を否定し全部を変えるのではないのです。一部を変え、ちょっとずらすのです。霊の識別をしなければ、本物を、大切なものを見失い、神とその救いから遠ざかってしまうことになるのです。
 それが本物であるか見抜くことは大変難しいことかもしれません。神を信じる道を歩むときもです。気づかないうちに神からわたしたちを引き離そうとする誘惑、偽りの教えが近寄ってくるのです。そのような時、神の子イエス・キリストの名を信じ、互いに愛し合いなさいと教える御言葉がわたしたちの内に生きて働くのです。わたしたち自身の決心や力で打ち勝つのではなく、御言葉が悪しきものに勝利するのです。
 イエスさまは十字架を前に弟子たちに言われました。世に負け、イエスさまを見捨てて逃げることになる弟子たちに言われたのです。「あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」(ヨハネ福音書第16章33節)わたしたちはこのイエスさまの勝利にあずからせていただくのです。
信仰の勝利とは、わたしたちが自力で勝利することではなく、イエスさまの勝利にあずかることであり、わたしたちの内にあって御言葉が勝利することを経験することなのです。そのようにして大切なことに踏みとどまることができるのです。「子たちよ、あなたがたは神に属しており、偽預言者たちに打ち勝ちました。なぜなら、あなたがたの内におられる方は、世にいる者よりも強いからです。」(4節)アーメン

(2023年7月30日礼拝説教より)

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