「救い主である神を喜ぼう(降誕②)」
更新日:2022.12.12
ルカによる福音書第1章39~56節
小林克哉牧師
みなさんは何を喜びとしているでしょうか。こう言ってもいいかもしれません。みなさんにとって一番大きなもの、大きなことは何ですか。マリアは「主をあがめ」(46節)ると言いますが、「あがめる」は「大きくする」と訳せる語です。「マリアは言った。『わたしの魂は主をあがめ(大きくし)、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。』」(46-47節)マリアにとって神が大きくなってくださった、喜びとなってくださったのです。
マリアとエリサベトの会話。それは神が主語である会話です(文法的なことではなく)。聖霊に満たされた者の会話です。「神が…」と語り合うのです。「わたしが…」でも「あの人が…」でもない。わたしたちの間に平和が失われるのは、人間を主語とするからです。互いに「神が…」と語り合うのです。
マリアはエリサベトのもとを訪ねた時、はじめは不安や恐れで心がいっぱいだったかもしれません。どうしてわたしのような者が、救い主の母となることができるのか。いいなずけのヨセフとの将来はどうなるのか。しかし聖霊に満たされたエリサベトとの会話の中で、「神が…」を主語とする会話の中で、神が大きくなっていったのです。
ある方が学生時代、突然お父様が亡くなる不幸があったそうです。父の死の悲しみ、この先どうなるのだろうという不安で心がいっぱいになり、神さまが本当にいるのだろうかとさえ思ったというのです。そんな時、キリスト者のペンフレンドから手紙が来ました。信仰に満ちた慰めと励ましの言葉でした。その手紙を読んでいくうちに心の中で神さまが大きくなっていき、悲しみや不安が小さくなっていくのを経験したのだそうです。
マリアに対し神は大きくなってくださいました。そしてあなたに対しても大きくなってくださるのです。どんな悲しみ、嘆きに襲われていたとしても、不安や恐れがあったとしても、誘惑や欲望の声が聞こえてきても、神はあなたに対して大きくなってくださるのです。わたしたちのために人となり生まれ、十字架で死んでくださったイエス・キリストによってです。だからマリアと共に神を喜び讃えたいのです。アーメン
(2022年12月4日礼拝説教より)