札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「純粋な献げものの香りが満ちて(ヨハネ32)」

更新日:2022.7.24

ヨハネによる福音書第12章1-11節

小林克哉牧師

「そのとき、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。家は香油の香りでいっぱいになった。」(3節)マリアはどんな思いだったのでしょう。イエスさまに弟を生き返らせてもらったのです。マリアには七つの悪霊に取り憑かれていた過去がありましたが、イエスさまに出会い悪霊から解放され救われたのでした。この献げものには、イエス・キリストへの感謝と献身の姿があると言えるでしょう。
純粋な献げもの、高価な献げものとはなんでしょうか。義務や見栄、自己満足からでもない献げものです。元首相の殺害事件が起こり、ある宗教団体がクローズアップされています。地獄の苦しみから逃れるため、恐怖から献金がなされている。マリアの献げものは恐怖からでも強制されてでもない、自発的に感謝と喜びにより献げられたものでした。
「イエスは言われた。『この人のするままにさせておきなさい。わたしの葬りの日のために、それを取って置いたのだから。』」(7節)このマリアの献げものを、イエスさまは葬りの備え、十字架の備えだと言われるのです。当時は遺体に香油を塗って墓に納めましたが、十字架で死なれるイエスさまの葬りの備えを既にしているのだと言うのです。
イエスさまこそ十字架で純粋な献げものをなさったお方です。強制されてではありません。全く自由なご意志により、父の御心に服従され、十字架で純粋でこれ以上ない高価な献げものをなさったのです。神の独り子が十字架で肉を裂き血を流し死なれるお姿は、世間一般の人にとって異様な姿かもしれません。しかしこの十字架という純粋で高価な献げものにより、わたしたちは救われたのです。
マリアは悪霊の追放、弟の生き返りに感謝し純粋で高価なナルドの香油を献げました。わたしたちはそれ以上の恵みを知っています。十字架により罪赦されて神と和解し、洗礼によりキリストと結ばれ神の子とされ、復活と永遠の命を与えられるのです。イエス・キリストの純粋な献げものにお応えし、わたしたちの純粋な献げものの香りで教会が満たされるようになりたいのです。アーメン

(2022年7月17日礼拝説教より)

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