札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「永遠の命のパン(ヨハネ19)」

更新日:2022.3.22

ヨハネによる福音書6章60―71節(新176頁)

小林 克哉牧師

イエスさまのもとから離れていく弟子たちが現れました。イエスさまは、他の人のことはどうであれ、あなたがたはどうなのかと十二使徒に言われました。「そこで、イエスは十二人に、『あなたがたも離れて行きたいか』と言われた。」(37節)
イエスさまは十二使徒の中からも裏切る者が出ると更に言われました。イスカリオテのユダのことです。「まさか、あの人まで!」わたしたちが教会を生きていく時に経験することでもあります。「えっ、あの人が!」あの人にも事情があるとか、仕方がないことだったのだとか、人間的理由を探して自分たちの心を慰めたくなります。しかしイエスさまは悪魔、サタンだと言われました。罪だと言うこともできるでしょうが、人間を神から引き離す悪魔、サタンの働きだと言われるのです。人は自力で悪魔に勝てるでしょうか。
イエスさまが十字架につけられた時、残された使徒たちの多くもイエスさまを見捨てて逃げてしまっていました。「わたしたちも行って、一緒に死のうではないか」(11章16節)と言ったトマスもです。ご復活の主イエスさまはトマスへ近づいて来られ、「信じない者ではなく、信じる者になりなさい」(20章27節)と語りかけられました。人が信じることにとどまることができるのは、主の御言葉が与えられるからです。主が語りかけてくださるからです。
イエスさまは「あなたがたも離れて行きたいか」と語りかけられます。シモン・ペトロは答えました。「主よ、わたしたちはだれのところへ行きましょうか。あなたは永遠の命の言葉を持っておられます。あなたこそ聖者であると、わたしたちは信じ、また知っています。」(68-69節)わたしたちはこの信仰の告白へと導かれているのです。
イエスさまが「あなたがたも離れて行きたいか」と語られるお言葉は、「あなたがたが離れて行くはずはない」という信頼のお言葉であり、励ましのお言葉です。イエスさまは今もわたしたちに語りかけてくださっています。イエスさまが語りかけてくださる永遠の命の言葉により、わたしたちはこの時代、この国にあってもイこの信仰の告白に留まり、イエスさまと共に歩んで行くことができるのです。アーメン

(2022年3月13日礼拝説教より)

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