「神のクリスマスのご計画」
更新日:2021.12.24
ルカによる福音書2章1-12節(新P102)
小林克哉 牧師
この年のクリスマス礼拝、救い主イエス・キリストのご降誕を喜び祝います。天使によりマリアは聖霊により身ごもり救い主を産むことになると告げられていました。夢で天使から御告げを受けた夫のヨセフも、マリアのこと、そして胎の子を迎え入れてくれていました。マリアのお腹は少しずつ大きくなっていました。神のご計画が実現する時が近づいてきたのです。
ところがローマ皇帝アウグストゥスの名によって住民登録をせよとの勅令が出されます。住民登録のため旅をしてやって来たベツレヘムの町で、イエスさまがお生まれになられたのです。「ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」(6-7節)神のご計画は人の思いや、人の目に映ることをはるかに超えて実現するのです。
「ベツレヘム」でイエス・キリストはお生まれになられた。それは預言者によって告げられていた神のご計画でした。「エフラタのベツレヘムよ/お前はユダの氏族の中でいと小さき者。/お前の中から、わたしのために/イスラエルを治める者が出る。/彼の出生は古く、永遠の昔にさかのぼる。」(ミカ書5章1節)もし皇帝の名によって勅令が出されなければ、イエスさまはナザレで生まれ、ベツレヘムでお生まれになっておられなかったのです。
宿屋に泊まる場所もなく布にくるまれ飼い葉桶に寝かされた赤子のイエスさま。どうして泊まる場所もないのか。目の前のことだけを見ると、神の御手がそこにも伸ばされているのが見えず、神のご計画が確かに進んでいることがわからなくなるかもしれません。しかし確かにこのお方によって神の救いのご計画は実現したのです。このお方こそが神の救いのご計画をわたしたちに示し保証してくださるお方なのです。
たとえ今あなたが宿屋に泊まる場所がないとしても、弱さ、病い、感染症の脅威、災害があっても、権力者が勝手に振る舞っているように見えたとしても、わたしたちを悪と罪と死から救い出してくださるため救い主イエス・キリストが生まれてくださったのです。だからわたしたちは、この年もクリスマスを喜び祝うのです。アーメン
(2021年12月19日礼拝説教より)