「マラナ・タ」
更新日:2021.4.2
コリントの信徒への手紙一16章1-24節(323頁)
米倉美佐男牧師
「マラナ・タ(主よ、来てください)。」(22節)
棕櫚の主日礼拝です。今日から始まる受難週の一日一日を備えをもってお過ごし下さい。16章に入り再びコリント教会からの質問に答える形でパウロは語ります。最初に募金(献金)について、この献げものは経済的に困難なエルサレム教会へのものでした。その他パウロの教会訪問の計画、教会への信仰の励ましの言葉でした。
前半はエルサレム教会への献金を、各自感謝を持って献げなさいという勧め、そして、コリント教会への訪問希望を語ります。しばらくはエフェソに滞在すると言っています。パウロはコリント教会の危うさを心配していました。「目を覚まして、信仰に基づいて、雄々しく強く生きなさい、そして何事も愛をもって」(13,14節)、彼の切なる思いがひしひしと伝わってきます。
最後に手紙のしめくくりで自分の手で挨拶を記すとあり、弟子たちに口述筆記をさせ、最後に名前をサインしたのでしょう。パウロは言います。主を愛さない者、キリストを信じない者は神から見捨てられる(アナテマ、呪われる)、マラナ・タ(主よ、来てください)。これは祝祷です。十字架と復活の主を仰ぎ、永遠の救いの内にあることを信じて、再臨のキリストを待つのです。救いの完成を仰いで待つ、それが教会の信仰です。祝祷をもって閉じます。「主イエスの恵みが、あなたがたと共にあるように。私の愛が、キリスト・イエスにおいてあなたがた一同と共にあるように。」(23,24節)。わたしたちも祝祷の後に外に派遣されるのです。
私のラストメッセージはマラナ・タ、「アーメン主イエスよ、来てください。」(ヨハネの黙示録22章20節)です。 この礼拝で牧師としての務めを終わります。伝道者として用いて下さった主に感謝し、札幌教会の新たな歩みの上に主の豊かな導きと祝福があることを祈ります。主イエスを真ん中に、牧師、信徒が祈りによって一つとなり、伝道のために励まれますように。
(2021年3月28日礼拝説教より)