「誇る者は主を誇れ」
更新日:2020.6.26
コリントの信徒への手紙一1章18-31節(新約300項)
米倉 美佐男牧師
「誇る者は主を誇れ」(31節)
わたしたちの立つところはここにしかありません。挨拶に続き、教会内に起こっていた問題が出てきます。私はパウロ、私はアポロ、私はケファ、私はキリストと教会内グループの対立です。その様子を知人からパウロは伝え聞きます。彼は看過できない問題として取り上げたのです。「十字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、私たち救われる者には神の力です。」(18節)と語り始めます。
正しい知恵、本当の賢さとは何かを問います。キリストを信じることだとパウロは言います。キリストを正しく信じることが正しい知恵、本当の賢さであると。周囲はそれが通じない環境です。理性や人間の考えが中心です。その様な背景の中でパウロはあえて言うのです。十字架と復活の信仰なしに救いはないと。
コリントの教会の人々に恐れることなく、惑うことなく信じた時のことを思い出して教会を再建しなさいと言います。人に惑わされず、人の知恵、知識でなく神の知恵、信仰の目、耳を持って真の神のみを求めなさい。救われるために必要なのは十字架のキリストのみです。それを信じ、わたしたちは宣べ伝えているのだから。十字架はユダヤ人にはつまずき、異邦人には愚かなもの、けれども信じない者にとっては無価値であっても信じるわたしたちにとっては唯一の力なのだから。「神の愚かさは人よりも賢く、神の弱さは人よりも強い」(25節)。この教会を建てる時にみんなで祈り求めたこと、創設時の感激、喜びをみんなで思い出そう。大事なことはあなたがたを神が必要とされたことだ。そしてあなたがたを選んでくださったこと。選ばれたのは誰一人神の前で誇ることがないためだった。キリストは義と聖と贖いとなられ、神によってこのキリストに私たちは結ばれたのだから。誇るのはキリストのみ。誇る者は主を誇れ。
(2020年6月21日礼拝説教より)