「十字架を告げ知らせるために」
更新日:2020.6.19
コリントの信徒への手紙一1章10-17節 (新約299頁)
米倉 美佐男牧師
「さて、兄弟たち、わたしたちの主イエス・キリストの名によってあなたがたに勧告します。皆、勝手なことを言わず、仲たがいせず、心を一つにし思いを一つにして、固く結び合いなさい。」(10節)
パウロはコリント教会の創設に深く関った後、そこを去りました。しばらくして教会に問題が起こります。それがパウロの耳にも届き、彼は教会の根幹を揺るがしかねない問題だと感じ、心配と憂いを持ってこの書簡を記したのです。10節にあるように、パウロを始めとしてアポロ、ケファ、キリストの名前が挙げられています。それぞれのファンクラブがあり、自分たちのかつぐ先生が一番だと互いに争い合っていたのです。
夫々に勝手なことを言い、仲たがいしていたのです。その混乱を鎮めるため、それをどう克服すればよいかをパウロは示します。解決策はキリストによる一致しかありません。信仰の回復は信仰によって解決するしかないのです。信仰が何であって何でないかを知り自覚せよと言うのです。主の十字架を見よ、あなたがたは洗礼を受けた時のことを思い出せと言います。信仰者の出発点、原点がどこにあるのかを思い起こし、それを取り戻しなさいと。
皆、勝手なことを言わず、語ることを一つにしなさい。人間の思いで勝手なことを自己主張しないで信仰告白によって一致しなさい。主イエスを中心に固く結び合うことが大事です。もう一つ大事なことに洗礼があります。洗礼で大事なのはだれから受けたということではなく、主イエス・キリストの名によって受けたということが大事なのです。信仰者が誇るのはただ十字架と復活の主だけです。そこに立たないからおかしな問題が起きるのです。土台はキリストです。固く結び合って教会を共に建てるのです。
(2020年6月14日礼拝説教より)