「キリストの交わりに招かれる」
更新日:2020.6.12
コリントの信徒への手紙一1章1-9節 (新約299項)
米倉 美佐男牧師
「わたしは、あなたがたがキリスト・イエスによって神の恵みを受けたことについて、いつもわたしの神に感謝しています。」(4節)
ローマの信徒への手紙を先週読み終えて、今日からコリントの信徒への手紙一に入ります。最初は挨拶です。差出人は連名で使徒パウロと兄弟ソステネで、受信者はコリントにある神の教会です。コリントはギリシアにある都市で、アテネから近く西の方面にあり、アドリア海とエーゲ海に挟まれた港町です。商業都市、政治、軍事にも重要な位置にありました。当時はローマの植民都市でアジアとローマを結ぶ交通の要所で総督も駐在していました。
この町ではオリンピックに並ぶコリント競技も盛んでした。女神アフロディ―テの神殿があり、大勢の神殿娼婦、男娼がいました。商業都市として繁栄しており、船乗りたちは陸に上がった時、快楽にふけり、町自体も享楽的であり、昔からコリント風と言われると享楽的とか、堕落的という意味合いで呼ばれていました。そのようなところにあった教会です。内にも外にも問題がありました。それでも召されて聖なる者とされた選びの群れがあったのです。
使徒言行録によればパウロはテモテやシルワノと共に第二伝道旅行(使徒18・5-)の時アテネからコリントに来たことが記されています。パウロはコリント教会の創設者でした。プリスカ、アキラ夫妻と天幕造りをしながら伝道したのです。次週から教会内の様々な憂慮すべき問題を取り上げますが、どのようなことがあってもキリストから離れず、キリストを求めて生活すべきことを勧めます。私たちはキリストに結ばれているのであって、キリストを世に証しし、主イエス・キリストの日まで、主を待ち望みつつ、主にある聖なる民としての自覚をもって歩むのです。
(2020年6月7日礼拝説教より)